卒業生インタビュー
はじめはみんな、何もできなかった。
ゆっくり・・・
だけど確実に一歩をふみだした先輩方の”ほんね”をインタビューしてみました。
女性起業家交流会
アリスのティーパーティー
はじめはみんな、何もできなかった。
ゆっくり・・・
だけど確実に一歩をふみだした先輩方の”ほんね”をインタビューしてみました。
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起業第3回 「社会保険労務士」
社会保険労務士事務所ウィルワークス
代表 榊原 ひろさん (第Ⅴ期卒業生)
逆境をチャンスに変えて起業
リーマンショックをきっかけに会社を退職。逆境をチャンスに変えて、社会保険労務士の資格をとって起業。
キャリアを積もうと思っていた採用の仕事。景気悪化のリストラは、いいチャンスと捉えて。
榊原さま
全然ちがうんです(笑)半分、成り行きで決めたようなところもありますね。そもそも大学では理工学部で、卒業して最初は通信機器メーカーのエンジニアになったんです。しばらく働いて、なかなかやりがいが感じられなくて。今思うと若かったせいもあるんだと思うんですけどね、この仕事には自分よりもむいている人がいる、という気持ちも出てきました。さらにエンジニアの仕事よりも、会社の経営とかマネジメントとかに興味が出てきて。ちょうどその頃、いいタイミングでチームのマネジメントの仕事をやらせてもらえるようになったんです。プロジェクトマネージャーとしてのメンバーのマネジメントやプロジェクト全体的に見ることができる仕事は、当時エンジニアとしての仕事よりとても面白く感じました。このころから仕事の興味の対象が、マシンやシステムから、人になっていった気がします。それからも、もっと面白い仕事があるんじゃないかということも思っているうちに、人の働くことに関わる仕事、特に人のキャリアとか働き方に関わる仕事をしたいと本気で思うようになり、社会人5年目に人材紹介の会社に転職しました。その後、アメリカに本社のある採用コンサルティングの会社の日本法人に転職もして、採用に関わる仕事をしてきました。その頃の仕事は外資系の会社の採用の仕事が中心で、ミドルマネジメント(管理職層)のリクルーティングや、若手のエンジニアを大量に採用したいという会社の人事部に常駐したり、と、いろいろやりましたね。そして2008年に出産のため産休をとりました。その時は長い人生の中の1年、学生の夏休みのような気分で長めのお休みを取って、1年したら戻って、またがんがん仕事をして、アジアを飛び回る仕事もできるかもしれないし、もっと大きいプロジェクトもやりたいし、ここでもマネージャーとして仕事もできたら…とか、とにかく採用コンサルティングの仕事に戻ることしか考えていませんでした。ところが、育休中にリーマンショックが起こり、採用の仕事はアメリカも日本も激減してしまったんです。会社からは、仕事がないから、戻るポジションはないと言われました。復職前に既に会社でもリストラも行っていて、私が仮に戻ったとしてもいつリストラされてもおかしくない状況でした。一方で、採用の仕事をしているときから、もっと幅を広げて人事全般のコンサルができればいいなと思っていたこともありました。なので、結局復職ができないという結論になったとき、ちょうどいいチャンスだと思って、社会保険労務士の資格をとって中小企業の人事コンサルの仕事をしよう、そしてせっかく資格を取るなら独立しよう、ということを決めたんです。周りの環境の流れの中で、ですね。
榊原さま
いえ、前職を退職することになった2009年の春頃初めて、その年と翌年に受験、勉強をし始めて1年半くらいで合格しました。同時に、勉強を始めた頃から社労士事務所でアルバイトを始めて、昼間は実務を1から学び、家では受験予備校の通信教育の講座で勉強しました。勉強時間は、夜は子どもを寝かせつけてから、朝は早起きして子どもが起きてくるまでとか、仕事のお昼休みとか。子どもが小さかったので飲み会に誘われることも少なかったので、結構時間はとれたんじゃないでしょうか(笑)
一人ひとりが自分の意志で仕事のできる環境をサポートしていきたい。
願いを込めてウィルワークスを創業。
榊原さま
そもそも、コンサルティングの仕事をやりたかったので、企業の人事部等に就職することは考えていませんでした。とはいえ、人事コンサルとしてコンサル会社に入るには、私の場合、キャリアが採用に偏っていたのと年齢とのバランスも悪くて、難しいだろうというのは予想ができたんですね。いろいろ寄り道した経験をしてきたのもあって。そして、採用の仕事をしていたころから、ネット等でいろいろ情報発信されている方を見て、資格を取って人事コンサルとして独立するという働き方もあるということは、気になってはいて。かっこいいな、とか、憧れのような気持ちを持ったこともあったんですね。だから、資格を取ろうと決意をした時はイコール独立でした。その後、社労士事務所で勤めたときも、開業希望だと最初から宣言していました。 あとは性格かな(笑)わりといつもマイペースで、人から言われてじゃなく、自分で思ったことやりたいとか、自分で決めて動きたい。気の強いところがあるからじゃないかなと思います。
榊原さま
ウィルは「意志」です。一人一人が自分の意志をもってモチベーション高く仕事できる会社を増やしたい、やる気をもった従業員が集まる会社をつくるサポートをしたいなと。社員一人一人が楽しくやる気を持って仕事できるって大事なことですよね。そうしたらきっと会社も発展して、日本の景気もよくなるんじゃないかと思っています(笑)
榊原さま
社会保険労務士の試験に合格してから社会保険労務士と名乗るためには登録が必要なのですが、その登録に実務経験が2年必要なので、2010年に合格する前後で2年間、事務所勤めをして、2011年に開業登録しました。それと同時にウィズスクエアさんのレンタルオフィスも契約しました。ネットでコワーキングスペースをいくつか探して3~4カ所見学したんです。最初に他のところを見学したら「ここが会議室です、ここがデスクです。質問ありますか、ないですね~」みたいな感じで、さらっと終わって。まあこんなものかと想像しながら次にウィズスクエアに来てみたら、マネージャーの濱田さんがとにかく丁寧に説明してくれ質問にもすごく親切に答えてくれるので、気づいたら1時間以上たっていたんです!その時に、「本気で会員のビジネスのサポートをしている」という熱意が伝わってきて、最終的に他のオフィスとどちらにしようかと迷った時に、「ウィズスクエアなら、後悔することはないかな」と思いました。利用し始めてからも、その印象は間違ってなかったなと思っています。会員どうしのつながりも良い感じです。「いまるカフェ」で出会った方に仲良くしていただいて、いろいろな方をご紹介いただいたりしてご縁が広がったり、仕事に結びつくネットワークができたりもして、すごくありがたいです。起業して一人でやっていくのって正直いって寂しいときもあるし、喜びを分かち合いたいときもあるし。安心して話せる場所があるのはうれしいです。
何が起きるかわからないから、あまり決め込まないで、臨機応変に。
常に、今、何がベストな選択かを考えて。
榊原さま
好きなやり方を自分で選んでできるっていうことですね。たとえば自分の時間の使い方にしても、これは仕事のためになると思ったら休みも日でもやれる。会社の枠のなかにいると、仕事が暇でも9時~6時は会社にいなきゃいけないとか、そういうこともないですし。今は365日×24時間をどういう配分で過ごすか、自分でコントロールして決めていけます。とはいえ、会社員だった時よりも仕事の事を考えている時間は圧倒的に増えましたけど。
榊原さま
いずれは従業員を雇って、チームで仕事ができる体制にしたいと思っています。一人でできることは限られていますから。相談して話し合ってアイデアをもみこんでいくことが今はできないので、不自由というか、力の弱さを感じています。そして働く人が元気よく働ける、力を思いっきり発揮できる環境づくりをサポートしたいですね。それが、最終的には会社のためになると信じているので。
やりたいことはやってみるのがいいと思います。「家族を養わないといけないから」とか「実績がない」とかネガティブな理由・やらない理由はいくらでも探せると思いますが、一度きりの人生ですから、やらないのはもったいないと思います。
榊原ひろさん (女性のための起業塾5期生)
1977年4月28日生まれ。大学卒業後通信機器メーカーでエンジニアから、プロジェクトマネージャーに。その後人材業界へ転職、採用コンサルタントとなる。育児の傍ら猛勉強をして社会保険労務士に。2011年、開業して「中小企業の社外人事部」として活躍している。
女性のための起業塾を卒業してから、いったい皆さんはどんな風に起業したのでしょうか。 それぞれの等身大の活躍をインタビューしてみました。